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夢の途中

だいすきなひとたちにしあわせがふりそそぎますように。

静かに 確実にほら 夏が行く

夏という季節は、色んなワクワクと、ドキドキと、そしてほんのすこしの切なさが閉じ込められた、とびっきりキラキラしたスノードームみたいだ。

外に出た時の蝉のわぁっという大合唱、夏のにおいを運んでくる風、もくもくとした入道雲と真っ青な空。
見ているだけで、楽しい冒険が始まるような気分になる。

また、少し涼しくなり始める夏の夕暮れや夜も好きだ。なんだか美しいベールがかかっているかのように、幻想的で美しい。

夏の夜、自転車に乗っていると、思い出という駅に停車する電車に乗ってるような感覚に陥る。
爽やかな風を感じて、高校時代の部活帰りを思い出したり、
草のにおいがしたら、大学時代毎年夏に行ってた合宿所を思い出したり。
その電車は、日によって各駅停車の普通列車だったり、急行列車だったり、特急列車だったりする。
出会うにおいや風景一つひとつに思い出が呼び起こされる日もあれば、
一つひとつには立ち止まる気になれない時もあって、
もちろん、全く何も感じる余裕がない日もある。

夏が終わりに近づくと、そんな夜風に一筋の秋のにおいが混じる。
毎年、それを感じる瞬間は何とも寂しくて、なんだか大切なものが消えてしまうような気分になるものだ。

夏という季節には、他の季節にはない特有の切なさがある。
日々過ぎ去っていく時間は誰にとっても永遠に続くわけではないことを、わたしたちはせわしない日常の中でなかなか深く実感することがない。

しかし、子どものころの夏休みに代表されるように、夏は多くの人にとって、特別な季節であり、それが終わるということもまた、特別なことのように思われる。つまり夏の終わりは、すべてのことに終わりが来るという事実を浮き彫りにするものであるように思う。

 

 

 

 

今年もまた、そんなことを思う季節がやってきた。