しあわせのかけら

おたくとお片づけと手作り

月皇海斗くんの考察

たぶんわたしたち人間にとって一番つらいことの一つは、自分という存在と向き合うことだ思うんです。


自分には価値があるのか、まわりの中に自分がいる意味はなんなのか。確固とした生きる意味を持ち、まわりと比べてしまってもちゃんとブレない自分の軸と正しい自信を持つ。


でもそれはあまりに苦しいから、きっと多くの人は、逃げたり気づかないフリをしたり(気づかないフリをしていることにすら気づかないままだったり)してなんとなくの人生をなんとなく生きる。

 

 

 

海斗くんは月皇家に生まれたことで、物心ついた頃からこの問題に向き合わざるを得なかった。


それでも、自分のしたいことに嘘をついて違う道を選んだり、努力することをあえてやめてしまってそれなりにそつなくこなす人生を選んだりすることもできたはずです。


しかし、彼は彼の意志で、いちばんの茨の道を進むことに決めた。それを許さなかったのは生まれ持った彼のプライドの高さだったのかもしれないけれど、プライド云々以上に、やっぱり月皇の血が流れる彼も、ミュージカルが、舞台に立つことが、大好きでたまらなかったがゆえの選択だったのだと思います。

 

音楽の世界、ステージに立つ人間の世界は、ただでさえ、「まわりと違う自分の輝き」が必要な場所。
綾薙の誰もがきっと、どこかでそれと闘っているし、遥斗さん自身も、きっとここまでの存在になるためにずっと悩んできたんだと思います。
しかし、海斗くんはより一層、この問題と常に隣り合わせだということ。


生まれてから向き合わざるを得なかった自分自身の存在への目、あえて家族と同じ世界の中で、それを確立しなければならないという重圧。自分への試練。


彼のプライドの高さは、彼自身をこの道に導いたと同時に、自分というある意味地獄のような鎖で自分自身をがんじがらめにする苦しさの一因となったはずです。

 

きっと彼が何をやっても、彼に向けられる称賛の多くは、
サラブレッドは違うな」
「さすが月皇遥斗の弟だな」
といったもので、そこに彼自身の血の滲むような努力は加味されていなかったのではないでしょうか。

 

並々ならぬ練習等の物理的な努力はもちろん、特殊な環境の中で、常に自分自身と闘ってきたそういう過酷な精神的な努力は、微塵も評価されない。

 

海斗くんは、芸術面でも学業面でも非常に優秀な成績を残してきているけれど、きっと星谷くんたちと出会う前までは、彼の心は報われる瞬間など一度もなかったのではないか。

 

そしてきっと、人から、欲しい類の称賛が得られないこと、自分の存在を認めてもらえないこと以上に、


目指す目標も、基準も、あまりに高く、そしてそれを具現化したような存在が実際にそばにいることで、


たくさんがんばってきた自分を、自分自身が認めてあげられないことが、いちばんつらかった。
一期の海斗くんを見ていると、なんだか本当に苦しそうで、あなたはあなたのままでいいんだよって抱きしめてあげたくなる(泣)

 

私も、実家が教育関係だったことで、
自分がいくらがんばって試験で結果を出しても、難しい受験に合格しても、
「いつも勉強教えてもらえるもんね」「いいね」って言われるばかりでした。

いい点数を取れない自分が自分で許せないから、
いつしかそれで自分の存在価値を感じるようになっていって、貼り出される学年順位をいつも気にして、後ろから追われるのがこわくて、
試験前は泣きながら勉強して1時間も寝ずに試験受けたりっていうことをしていたのだけれど、
そんなことを人に話すのも無意味だから言わなかったけれど、


そんなこと何も知らないで、何も考えないで、他人は簡単に言葉をぶつける。
あなたにもプライドはないの?っていうくらい、すでに諦めた生き方をしていた人もいたし、人の心に土足で踏み込んでくるような人もいた。

 

それでも、大学生になって、社会人になって、
もっと違うところに自分の価値を見出せるようになったことで、


当時の自分を思い出すと、ものすごく考え方が窮屈な状態になってしまっていたことを実感する。結局、鎖をどんどん巻いて余計苦しくしていたのは自分自身だったってわかる。

 

でもこれは、学校を卒業して、もっと広い世界を見て、色んな人と出会って、色んなことをする中で自分に正しい自信が少しずつ生まれて、


何かのものさしで自分の価値を決める必要はないし、殻に閉じこもって苦しくなる意味もないっていうことが徐々に自分の内部からわかってきたからで。

 


だから、海斗くんの、自分を苦しめていた枷を自分の手で外せるようになっていく姿が本当に本当に嬉しかった。


海斗くんのまわりに、
海斗くんの表出されている面だけじゃなくて、
今にも崩れそうな自信を必死に保とうとしながら、自分で自分を認められる形を探し足掻いている苦しい胸の内をわかってくれる人がいてよかった。

 

なんでも器用にこなせることこそが、個性だと認めてくれる鳳先輩と、家族云々は関係なく、純粋な目で、彼自身の才能と努力を認めてくれる仲間。

 

特に、「ステージに立ってる月皇が好き」などとストレートに言ってくれる星谷くんのような存在は、きっと海斗くんがこれまで関わってきた人の中にはなかなかいなかったのではないでしょうか。

 

最初は人の心にズケズケと入ってくるようにも捉えられる星谷くんの態度は、繊細な彼には受け入れがたいものだったと思いますが、同世代の中では自分がリーダーでいなければならないとこだわっていた海斗くんが、星谷くんをリーダーとして認めて。

 

家族云々ではなく、海斗くん自身の実力を素直に見てくれて、足を引っ張らぬようと健気に努力して、純粋なキラキラした目で演技をする星谷くんの存在は、暗い影を落としていた彼の心を明るく照らし、暗がりから連れ出してくれたんだと思います。


そして二期では、なんと言っても魚住先輩の存在。遥斗さんのことをよく知っているからこそ、他の人にはできないような、海斗くんに本当に必要なアドバイスや声かけ、采配をしてくれた人。

 

ひとつ枷が外れたからといって、完全に自分という迷路から抜け出せるわけではないし、むしろ進めば進むだけ、また新たな壁にぶち当たる。
卒業記念公演にあたって、アレクシスの影を演じた兄の影が、また海斗くんを苦しめることになる。

遥斗さんに強く憧れを抱いている揚羽の存在もまた、遥斗さんの世界に絡め取られそうになる海斗くんの心をより進行させていきます。

 

そんな中で、魚住先輩の言葉たちは、本当に美しいと思うんです。先輩自身も、第二王子と呼ばれて複雑な思いをたくさん感じてきたはず。
でも、誰よりも、遥斗さん自身の実力と努力と人間をよく見ている人だからこそ、遥斗さんのことを大切に思っていて、海斗くんのことも、心から心配し、導いてあげたい(というより、自分で光を見つけられるよう手助けをしたい)と強く思っている。

 

「お前ならできる。そう言ってるんだ、海斗」

 

って頭をポンってするシーンはスタミュ二期の中で最も泣けたシーンのうちのひとつです… その時の潤んだ海斗くんの瞳もふくめて、もうたまらない。


全てを知っている人から、かつ、確かな実力を持った一人の立派な俳優から、認められ、背中を押され、自信を与えてもらったことが、海斗くんにとってどれほど大きいことだったか。

 

“誰とも似てはいない 新しい勇気で”一歩を踏み出し、役を勝ち取った海斗くんは、今まで感じたことのなかった自分という存在への自信を持てたのではないかと思います。


三期にあたって、ミュージカル俳優になるにあたって、これからまた海斗くんはたくさんの壁にぶち当たるはずです。
桜会には誰が選ばれるのか、そして卒業、新しい進路へーーーー。

 

でも、決して自分に負けることのない海斗くんは、綾薙学園で紡いだたくさんの絆と、信頼できる人たちからもらった言葉と自信というGiftを胸に、素晴らしいミュージカル俳優になっていくんだろうなって思います。


“たからものをあげよう”っていうフレーズ、
海斗くんにとってたからものは、
自分をはじめて認め許してあげられた、綾薙学園という場所、仲間と過ごした日々なんだろうと思います。


また、最後になりましたが、海斗役を演じられているランズベリー・アーサーさんが、ご自身も同じような思いをされ、非常に強い思い入れを持って海斗くんを演じられていることを知り、心を打たれたことを覚えています。

 

私も人との関係にも本当に悩んできて、未だに自分との闘いは終わっていませんし、人との距離の取り方やコミュニケーションの正解がわからず、戸惑うことが多い日々です。私自身、重ねて見てしまうところが多く、共感しては涙が出ます。

 

ランズベリー・アーサーさんの演じられる”月皇海斗くんが本当に大好きです。
お二人の未来が、これからもより一層輝いたものになりますように。

 

月皇海斗くん!生まれてきてくれてありがとう!!